1983 京都岩倉 幻春童女
百夜独演音曲集というコンパクト版(ビニール版三十三回転17センチレコード)三部作がある。アルバムカバーに私の拙いイラストを使っているものだ。

この時使った三つのイラストのうち、一枚目、『聖家族(事件・改題)』と三作目『空花 クフゲ』のカバーは、実は、この絵を間に含む三連作のものだった。結局、二作目『虚空遍歴』のカバーには、別の女性の、まったくタッチの異なる戯画に差し替えてしまったが、絵そのものとしては、これを間にいれないと、しっくりこない。

なんとなく照れくさかったのだろう、この絵を人に見せたくなかったのである。

この頃より、私は『逆髪』の制作にとりかかっていたのだが、この絵は、逆髪が蝉丸の演奏によって心の平和を取り戻した、そんな刹那の微笑をイメージしている。初夏の木漏れ日がおどる緑の中にたたずんでいるのは、幻の春を宿す童顔の狂女……結局、この作品は、まったく発表していない。

この年の秋、京都岩倉にある大学のコンサートの楽屋で見た夢である。

2002年4月 モモヨ

 

聖家族 『逆髪』