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Rules Of Audacity
Audacityの基礎 その特徴とは?
Audacityのルールを学ぶ

Japanese Versionモモヨ リザード

Momoyo The LIZARD
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INDEX

●Audacityを遊ぶ まずはダウンロードとインストール
●Audacityの基礎 非破壊音声編集について(本ページ)
●Audacityの基礎その弐 設定、読込、再生
●Audacityの基礎その参 Audacityで録音する


Audacityヘルプのチュートリアルは、実によくできている。

Tutorialsにまとめられたそれぞれのタイトルを意訳してみると、

T ベーシックス(基礎)
U 編集(ビギナー用)
V よく使われる作業例
W エフェクトを使う(ビギナー用)


となっている。

TBasicsの1章には、デジタルオーディオの基礎、PCで音を扱う場合の基本的知識を概観している。これはAudacityの使用者ならずとも、PC上で、あるいは専用機器で、デジタル音声信号を扱う者なら知っているべきこと、常識が書かれている。

バビロニックドットコムの記事を読みなれた方には、少々軽すぎる内容だろう。ために、ここでは割愛し、その次、1−2 Rules Of Audacity から見ていきたい。

ここには、私達がAudacityで作業する上で忘れてはならない幾つかの項目が記載されている。具体的なオペレーションではなく、Audacityの仕様について簡単にまとめてある。ゆえに、英文のオリジナルでは、読み飛ばして先に進むのも可、と付記してある。後で必要に応じて読んでもかまわない、そういうページだというが、ここには、重要な情報も書かれている。さほど分量も多くないので、読むべきページであると思う。

なお、この日本語ページのみで意味が通じることを旨に記事を書いていくため、英文ヘルプの直訳でないことは当然、対訳にもなっていないことを事前にお断りする。

1. One clip per track


どのオーディオエディターでも、基本的に変わらない。録音したり、インポートしたり、カット、ペーストしたりするのは、トラックにつき一つの(モノあるいはステレオの)オーディオソースが当てられるということである。一つの音声信号につき、一つのトラックを使うという点は、別段、意識するまでもない。カットされたり、無音を挿入したりしても、一つのトラックに表示されていれば、それは連続した音声素材だということである。

 

2. Audacity always records to a new track

録音ボタンをクリックすると、録音が開始される。この場合、Audacityは、常に、新規トラックをあらかじめ開く。そして、そこに信号を読み込んでいく。新規トラックは、最下段に表示される。録音状態をチェックするには、ズーム機能を使い、この最下段トラックの表示サイズを大きくした方がいいかもしれない。レコーディング開始後にAudacityウィンドウそのもののサイズを微調整することも実際に可能だ。ウィンドウサイズの変更そのものは、PCのパフォーマンスに影響がないはずだ。

開発者チームとしては、 CTRL+Fで、全プロジェクトの全体像を見えるようにして使うことをお薦めする。左右方向に画面が有効に使えるはずだからだ。縦方向にトラックの表示を変更するには、いまのところ、マウスを使うしかない。.

※ここで、書かれている内容は、かなり曖昧な表現になっている。私には言外の意味も含まれていると思えるので、老婆心ながら、メモを加えておく。例えば、ウィンドウズの変更をショートカットでこなせばAudacityというアプリの基本仕様どおり、パフォーマンスに影響なく録音を遂行できる。しかし、マウスを使ってウィンドウサイズの変更をする際には、保証の限りではない、そういう意味を含んでいるように読めるのだ。PCそしてマウスの制御方法、メモリーの量、CPU性能に大きく依存するが、PCで録音する場合に、マウスの制御方式によっては、録音にノイズが入るなどの影響がでることがある。こうした常識も言外に含んでいるように、私には思える。

 

3. Edit/Duplicate will not create a new audio file

編集をしたり複製を作ったりしても、イックスポートしない限り、Audacityは、新規オーディオファイルをつくることをしない。

これは、たいしたことはないと思うかもしれない、しかし、大きなファイルを扱う時には、重要なことだ。英文マニュアルの冒頭には、こう書いてある。実際、この点こそAudacityの一大特徴といっていい。PC系の用語で、ざっくりと表現すれば、

Audacityは、非破壊、ノンディストラクティブを基本とするオーディオエディターである、ということだ。

音声編集ソフトの場合、従来は、その大半がディストラクティブ方式であった。つまり、編集後、『上書き保存』を選択すると、元のファイルは書き換えられ、『別名で保存』を選択すれば、編集の前後の二つのファイルがハードディスク上に作成されるわけである。

皆さんご承知のように音声ファイルを圧縮しないで扱った場合、かなりサイズが巨大になる。それを編集した場合、クライアントのために、幾つかヴァリエーションを用意しようにも、すぐディスクが満杯になってしまう。そんな経験は、PCで音声編集をしたことがある人なら誰もがしている。それを回避するため、メジャー音声編集ソフト、Sound Forgeでは、新バージョン(Ver,6)から非破壊方式を採用し、元ファイルに対してどのような編集を加えたかという記録をプロジェクトとして保存していく仕様に変更されたばかり。最新のカタチである。それをVer1.0から採用したわけだ。冒頭の太字の部分には、それなりの意味があるのである。

Audacityは編集結果を専用プロジェクトファイルに格納する。

このプロジェクトファイルには、元のファイルに対しどのような処理が加えられたかが記録されている。元になったファイルに対して、このプロジェクトファイルを適用し、編集結果を出力するわけである。カットしたり、エフェクトを適用したり、という履歴を全て覚えており、元のファイルをコマンドの履歴に従って処理し、それを出力する。この結果、強烈なUNDO(取り消し)効果を発揮できることになる。これは重要だ。プロジェクトファイルなら、ユーザーは、いくらでもUNDO/REDO処理を行える。これは、プロジェクトを一度セーブしたあとでも可能だ。

非破壊編集を理解するのには、ビデオ編集など巨大ファイルを編集するソフトを例にとると解りやすいかもしれない。

映像編集では、この方式が基本だからである。それぞれのアプリが独自のプロジェクトファイルとして編集内容を記録する。しかし、これでは、そのアプリがないと編集結果をモニターできない。これをメディアプレーヤーなりで見るためには、レンダリングを施し、汎用の映像ファイルを作らなければならない。

Audacityも、基本的に、これと同じである。レンダリングに相当するのがイクスポート命令だ。これで、mp3なりOggなり、WavAif(f)Rawファイルなりに編集結果を出力してやる。それで、初めて、ユーザーの環境に左右されずに再生可能なファイルができるのである。

 

参考 【実例に見る非破壊編集のメリット】


非破壊編集のメリットを今一度、具体的に考えてみよう。

例として、貴方が自分のライブ音源を編集する場合のことを考えてみよう。

50分程度のライブソースをPCで扱う場合、まず音源をキャプチャーして、WAVなりAIFFなどの扱いやすい形にしてやる。最終的に音楽CDにするのであれば、44.1kHz、16bitのファイルにしてやる必要がある。であれば、キャプチャーした後、ハードディスク上に作られるのは、500MB程度の大きさになる。

これを曲ごとに独立したものにしよう。

まず、あなたのライブに10曲あるとすれば、連続したオリジナルファイルから必要な部分を切り出して曲ごとに保存していく作業が必要だ。それを十回繰り返す。

それぞれに曲名をつけたり、ライブの日付と連番をつけたり、どのような名前で保存するかは各人各様だが、いずれの場合も、新しいファイル名をつけて独立したファイルとして保存することになる。

その結果、連続した500MBのファイルのほかに、合計して500MBとなる10個の断片、曲ファイルがハードディスク上にできる。言うまでもないが、これだけで、合計サイズは1GB。

この後、ノイズを除去したり、フェードイン、フェードアウト、ダイナミクス調整、EQなど、それぞれの曲に適した調整を付加していく。通常は、これらの変更の度に、新しいファイルを作っていく。普通、50分程度の音声ファイルを扱うのであれば、その8倍、4GB程度の空領域を確保しておきたい。最低でも2GB程度は必要になる。

こうなると、データのバックアップやポータビリティーの問題もでてくる。可搬型メディアで4GBを扱うとなれば、選択肢はDVD-RやDVD-RAMしかない。管理も大変だし、これだけファイルが巨大になると、単なるコピーだけでも数十分はかかる。ハードディスク上の読み込みや書き出しなど、様様な処理時間も無視できないものとなろう。

この問題を解決したのが非破壊編集だ。

非破壊編集であれば、先のライブ音源の編集という例で見れば、元の連続したライブのキャプチャーファイル一つと、バリエーションの数だけのプロジェクトファイルがあればいい。

Audacityのプロジェクトファイルは、1メガ前後。元ファイルとバリエーションの数だけのプロジェクトファイルであるなら、CD-R一枚で十分だ。一つの曲に対して思う存分、バリエーションを作成してもいい。これならプリプロ作業の全てをCD-R一枚に保存できる。このメリットは大きい。ファイルの命名規則さえ工夫すれば、整理も簡単にできる。

WavAiffへのエクスポートは最終段階でこなし、これは別のCD-Rに保存。そのデータをもとにディスクアトワンスで音楽CDを焼けばいいのである。

非破壊編集ならポータビリティーの問題のクリアできるし、ファイルの読み込みに長時間を要することもなくなる。

基本的には、巨大なサイズのファイルを扱うユーザーほど、非破壊という仕様の恩恵にあずかることが多くなる。実際には、音声ファイルを扱うユーザーは誰でも、否応なく、巨大ファイルを扱わねばならなくなる。

CD一枚分程度の音を扱う以上、誰もが、Audacityの恩恵にあずかることができようし、クロスプラットフォームという特徴は、その後に重要な意義をもつものになるだろう。



今、Audacityでは、日本語化スタッフを募集している。
応募方法などは、次回以降に紹介する予定だ。
まだまだ、成長する音声エディタ、それが、Audacityだ。
今後とも、よろしく、お願いしたい。

Momoyo The LIZARD

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2002年8月9日公開

 

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