序章のあとがき
生キルベキカ?死スベキカ?ソレガ問題ダ。
『ハムレット』の有名なセリフだ。
僕の好みからいえば、『リア王』や『テンペスト』こそがシェイクスピアの代表作なのだが、一般に、もっとの知名度の高い作品が『ハムレット』で、中でも、このフレーズはよく知られている。この訳文には、さまざまな解釈があるようで、それ等を紹介するだけで一冊の本が書けるほどだ。諸説粉紛〈しょせつふんふん〉たるものがあり、中には、とんでもない珍解もあって、なかなかおもしろい。学者先生の奇怪なセンスを味わえる。
この『ハムレット』、教材として使われることも多く、今でもけっこう読まれているらしい。僕など、学校教材に使用されると、好きな作品も、いっぺんに嫌いになってしまうという因果な性格なので、今の少年少女達が『ハムレット』をどう読むかは、とても興味がある。ちなみに僕の書架には四種類のテキストがあって、中学、高校時代の教材に使用した文庫本が二冊、大学で使った注釈本、そして洋書と全てが教材。僕が『ハムレット』を得意としない理由は、その辺りにありそうだ。
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