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Nero Wave Editor を使いまくる Vol.3
モモヨ リザード

Momoyo The LIZARD

CD-RライティングソフトNeroに付属のサウンドエディターをモデルに音声編集の実際を解説する。

1 ネロウェーブエディター ノイズ解析/除去
2 ノイズ除去以外のエンハンス メニュー
3 エフェクトメニュー
4 ツールスメニュー

エフェクト/effectsメニューを使ってみる

エフェクト effects

このメニューのしたには、いわゆる位相系エフェクト、遅延系エフェクトがならんでいる。

●ディレー
●フランジャー

●コーラス
●リバーブ

●ディレー

まず、基本機能のみを使ったディレー/Delayだ。これは電気楽器を少し触った人なら簡単に使えるインターフェースだろう。

0-3000msec 可変のDelay Time / ディレータイム
0-100% 可変のFeedback / フィードバック

パラメーターはこの二つだけ。これに原音とディレー音のミキサーがある。

各パラメーターについて説明する前に、ディレーとは何かを説明しておこう。ザックリ説明すると、A1という信号を再生している上に、A1とまったく同じA2(1のコピー)何ミリ秒かの遅れて再生した信号を重ねてやることを意味する。時間間隔をながく取ると山彦効果になり、短くしてやると日光東照宮の鳴き竜の廊下で知られる音響現象がえられる。

ということで、パラメーターを説明しよう。
まず、Delaytimeであるが、これはA1からA2の間の間隔である。
一般的にこのパラメーターを決める際に参考にするのは、音速である。音速は、その媒体によって異なるが、空気中を進む場合、毎秒340メートルと言われている。
これを利用して反射音をシュミレートしてやるのだ。
例えば500ミリ秒の遅れがある場合、音は170メートル進んだことになり、部屋、あるいは音の反射壁までの距離は、その半分、85メートルということになる。

こうして遅れた音を原音を損ねない程度にミックスしてやり、部屋の大きさを潜在意識に訴える手法は一般的に使われる。
鳴き竜現象の天井の高さもこれでシュミレートする。50ミリ秒の遅延間隔では先程の計算では8.5メートルになるわけだ。
これがディレーの一般的な利用法だ。

さて、フィードバックであるが、これは、A1A2のあとに、出力されたA2のエフェクト音をさらにインプットに戻してやれば、A3A4A5……A10と繰り返すことが可能だ。この戻す量、帰還する量をここで設定する。つまり、繰り返しの回数をここで指定するわけだ。

とくに、鳴き竜現象のような反射効率のよい壁材による反響をシュミレートする場合は、ここを増やしておくといい。ただし、あまり上げると発振する。要注意だ。

通常は上記の空間演出に用いるが、その他、ながい山彦エコーを使う場合もあるだろう。

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●フランジャー


フランジャーは地下道、トンネル、土管などの円筒形状の音場をシュミレートするものだ。同時にジェットマシーン効果もだせる。
ニ台並べたプレーヤーで同じレコードを同時に再生し、その一方のターンテーブルのふちに手を触れてやるとジェット効果を出せる。その手法をフランジ(あるいはフランジング)という。ここからこの名前がついた。

英語バージョンなら電子楽器演奏者にそのまま理解できるだろう。日本語は少し癖のあるものになっている。

【Depth】
強さと表記されているパラメーターDepthは深みを演出するものだ。単位はミリ秒。次に説明するコーラスアンサンブルと同じく、ショートディレーを利用したエフェクトだ。アナログのエフェクトではBBDエコーという回路をつかっており、そのショートディレーのタイムを小さく揺すってやると、ビブラートがかかる。それを原音にミックスし、うねりのある音にするのがフランジャーだ。ここを0にすると単なるショーとディレーになる。0から5ミリ秒の設定が可能だ。

【Frequency】
Frequencyもアナログエフェクトからきているパラメーターだ。
BBDを使ったショートディレー回路の遅延時間を揺すってやる場合、そのコントロール回路にLFO(低周波発信器 ローフリケンシーオシレーター)からの信号を送ってやる。そのLFOの幅がDepthであり、そのスピードがFrequencyなのだ。ここでエフェクト音のビブラートのスピードを決めてやる。うねりのスピード調整だ。

【ステレオフランジャーのチェックボックス】
ここにスイッチを入れると、LRそれぞれの遅延信号を入れ替え、ちょうどバッテンを描くような回路構成になり、よりスペーシーな音響効果になる。
より広がりのある空間演出が欲しい時や、モノトラックをステレオにひろげたい時にここをチェックするといい。

この他は、例のミキサーがある。

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●コーラス


コーラスも、パラメーターはフランジャーとまったく同じものだ。
それも当然で、コーラスとフランジャーは、ショートディレーの設定が異なるだけ。他はまったく同じだ。
アナログの電子回路も同じ。コーラスはフランジャーよりも短い間隔で音を繰り返している。こうした回路を総合して位相エフェクトと呼ぶのは、聞こえてくる効果が異なるにしろ、電子的回路はどれも同じ、ということからでもある。

プリセットショートディレーを短い順にならべると、フェーズシフター、コーラス、フランジャーの順になる。

基本的に、フランジャーもコーラスもDepthをゼロにすれば、そのままショートディレーとしてつかえる。原音をゼロにして、エフェクト音だけにすると、ビブラートエフェクトになる。

これは、もともと松下が4チャンネルデコーダー用に開発したBBD遅延回路を、ジェフベックがギターに使ったことから世の中に広まった。世界で最初のコーラスは、松下傘下のローランドにより作られたBOSSブランドから発売された。日本発の最初のエフェクトがこれだ。

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●リバーヴ


リバーブは、一番、馴染みのあるエフェクトだ。
昔のギターアンプなどではスプリングリバーブというものが搭載されていた。フェンダー社のツインリバーブなどは、その代表格である。安価なボーカルアンプもこれだった。音楽スタジオではプレートリバーブというものを使っていた。当然、このエフェクトを使えば、それをシュミレートできる。

しかし、最近のデジタルリバーブは、さらに先に進み、たんなる残響付加装置ではなく、空間を積極的に演出できるようになっているのだ。

パラメーターを見ていこう。

【リバーブタイム / Reverb Time】

これは、残響の持続時間だ。テスト用にクリック音を入力した場合、そこから何秒の残響にするかをここで決める。単位はミリ秒。40ミリ秒から最大7秒まで設定できる。

【ルームサイズ / Room Size】

ここで決めるのは、初期反射までの時間だ。
ディレーの項で説明したように、最初の反響(初期反射音)が聞こえてくるまでの時間差で私達は距離感を得ているのだ。
アナログ時代のリバーブは、音が入力されると同時にエフェクト音が生じていた。
しかし、自然な音響世界では原音と残響の間に微妙な時間差があるものなのだ。この時間差を設定するのがここだ。パラメーターの単位は平方メートルだ。10平方メートルから1500平方メートルまでの間で任意の設定が可能だ。いちいち、音速からディレー時間を計算しないですむのは、ありがたい。

【明るさ / Brightness】

これは残響のトーン調整用ローパスフィルターのカットオフ周波数である。残響は壁面の材質により音質が変わるものだ。通常は、その硬度に依存する。
例えば、大理石やガラス質の壁面の部屋は、木材のそれより、音質がハードな(周波数が高い)ものだ。コルクの壁では、残響はもけて聞こえ、耳につかなくなる。これも、よく知られていることだ。
それを調整するのがこれである。

ベーシックな機能のほとんどは備わっている。

残念なのは、曲線のある空間、例えばオペラハウス二階席やカテドラル、美術館など、カーブした反射壁や球面状の屋根のある音場をシュミレートできないことだ。

どうしてもシュミレートしたい場合は、まずリバーブで、もけた感じの、残響を付加してやり、これにゆったりとしたステレオフランジャーをかけてやればいい。理想を言えば、残響音に直接LFOでモジュレーションをかけ、うねりを持たせたいところだ。しかし、これでも近い雰囲気は実現できる。

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