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Nero Wave Editor を使いまくる Vol.4
モモヨ リザード

Momoyo The LIZARD

CD-RライティングソフトNeroに付属のサウンドエディターをモデルに音声編集の実際を解説する。

1 ネロウェーブエディター ノイズ解析/除去
2 ノイズ除去以外のエンハンス メニュー
3 エフェクトメニュー
4 ツールスメニュー

●ツール/Toolsメニューを使ってみる

■ツール/Tools
エフェクトメニューとあまり違いがないが、この下には位相エフェクト以外のエフェクトがまとめられているようだ。

●イコライザー
●トランスポーズ
●ダイナミック プロセッサー
●上級者用 ダイナミック プロセッサーの使い方
●時間調整 タイム ストレッチ 

●イコライザー  Equalizer

このイコライザーは、6つのバンドからなるパラグラフィック・イコライザーだ。高級サウンドエディターの専売特許である。

※例えば、SoundForgeの場合、入門用XPにはこの機能がないが、SoundForge5には搭載されている。

NeroWaveEditorのパラグラフィックEQが他と異なるのは、6つの全てのバンドが、パラメトリックEQ仕様であることだ。

パラメトリックEQはレコーディングスタジオなどプロの現場では、お馴染みのものだ。

一つのバンド(帯域)には、中心周波数/Center Frequencies,ゲインレベル/Gain Levels,バンド幅/Bandwidthsの三つのパラメーターがある。この一組でパラメトリックEQを構成するのだ。それらが六つ並列になっていると考えると理解しやすい。

パラメトリックEQの構成要素

中心周波数/Center Frequencies
訳語そのままである。EQがあつかうバンド(帯域)の中心周波数を決定する。

ゲインレベル/Gain Levels
そのEQで、決定した帯域を上げてやるのか、下げてやるのかを決定する。0を中心にプラス方向がブースト。マイナス方向がカットである。

バンド幅/Bandwidths
中心周波数から帯域の幅を決定するパラメーターだ。単位はオクターブだが、これはあまり気にすることはない。パラグラフィックEQでは、視認しつつ設定することが可能だからだ。それを利用しない手はない。

パラグラフィックEQの特徴は視認性にある。何度か使っているうちに直感的に操作できるようになる。

中心周波数
 東日本 50Hz / 西日本 60Hz
ゲインレベル -15dB
バンド幅    0.1〜0.3oct

これは何かというと、交流電源から漏れるハムノイズカット対策である。
ギターアンプでディストーションを使ったときなど、ハイインピーダンスインプットのある機器では、どうしても逃げられないのが、この電源からくるノイズだ。このノイズはサインカーブである。ゆえにバンド幅を最大限に細くしても、カットできる。このセッティングはプリセットしておくと、何かと便利だろう。ちなみに西日本と東日本では違うことに注意して欲しい。

ほかにも、気に入ったセッティングがあったらバシバシプリセットしておこう。WaveEditorは成長する。育てるのは、あなただ。

EQをセットする際の注意点は、出力信号が0dBを越えないようにしてやることだ。
これは、他のエフェクターにも共通の注意点だが、EQは、中でも一番この過ちをおかしやすい。出来るだけカット方向の処理にすることがミソだ。

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●トランスポーズ 移調

変遷という訳語が当てはめてある。
他のソフトでは英語のTransposeをそのまま採用している。トランスポーズといえば移調を意味するのは、音楽雑誌を読んでいる人には常識であろう。

ここで音楽の音程(キー)を変えてやることができる。

調整個所は二つだけだ。

Intervalでは、上下方向に12半音のコントロールが可能だ。
Fine Tuneで微調整すればいい。

カラオケなどで用いられる機能だ。

チェックボックス Maintain Original Length の邦訳はオリジナル長の調整となっているが、これは「オリジナルの時間軸を維持」か、意訳して「オリジナルテンポを維持」とするべきだ。

音程変化が曲の時間軸に影響を与えるかどうかはチェックボックスで指定する。曲の時間軸(テンポ)をオリジナルと同じに保ったまま移調したい時はチェックボックスにチェックをいれる。テンポ、曲の時間は、移調する前のものと同じになる。

また、時間軸を音程変化に連動させたい時もある。例えば、テープの倍速を演出する場合、音程が一オクターブ(+12半音)上にあがると時間は半分に短縮され、テンポは倍になる。これはチェックをはずしてやれば実現できる。
この演出を行うかどうかをチェックボックスで指定してやる。

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●ダイナミック プロセッサー  Dynamic Processor

これはVCA方式のコンプレッサー、リミッターをシュミレートしたもので、他社のエディターでDynamics(グラフィックス)と記されているエフェクト。

最初にアタックタイムとリリースタイムのパラメーターノブが目に入ってくると思うが、当面これは無視。重要なのはグラフの方だ。

グラフは、それぞれdBで表示されている。どちらの数値も最大値が0dBになっており、全てマイナスで表記されている。

ここまでの説明で幾度か、デジタルオーディオの最大値は0dBであると説明してきたことを思い出して欲しい。このグラフは、それを元に作成されている。それを超えた場合は音切れがおきたり、歪んだりするのである。

縦軸は出力 outputを横軸は入力 inputをあらわしている。つまり、元ファイルの音の大きさと、処理後の音の大きさをあらわしているのだ。

例をあげて説明すると理解しやすいだろう。

たとえば、今、適当なCDからリッピングした素材があるとする。ごく平均的なCDならピーク値は+6dB以上あるはずだ。とにかく、平均的な音楽だと思って欲しい。

そこで、ダイナミックプロセッサーを起動してやる。

初期状態でグラフの左下から右上まで一直線に線がのびているものとする。

最初に、まず、−20と−20が交差する点をクリックする。
すると、白いポイントが表れたはずだ。
次に、右上の隅の0と0にある点を縦軸方向に−20まで、ドラッグしてやる。

すると三角形の頂上が欠け台形になるはずだ。

アタックタイム20ms、リリースタイム50ms(最小値)のままにしておき、OKボタンを押してやる。

すると音源ファイルの振幅は左右どちらも、−20dBでそろうはずだ。
音源がJ-Popのビートの利いたものだったりすると、かなり小さくなったはずだ。まるで芝刈り機で刈り取ったかのようになっていればOKだ。
これが-20dBのハードリミッターだ。詳細設定にナーバスにならず、ざくざく使うことが秘訣だ。

これは、あまり実用性がない設定だが、20を6に変えてやると、一般的にハードリミッターと呼ばれるものになる。アタックは最小にとり、リリースは、500ミリ秒くらい、つまり初期値にしておく。すると、スタジオ用機器でいうハードリミッターの設定となる。

Threshold−6 / Ratio Inf:1

という設定だ。

これに対して一般にソフトリミッターと呼ばれる設定を紹介しておこう。

まず、ハードリミッターで、−6と−6の交差点にセットしたものを縦横が12.2位のところに移動する。

次に、横軸(入力)−6.2と縦軸(出力)−8.2が交差するところに点を打つ。これが経過点。最終点が横軸(入力)0に縦軸(出力)が−7。

都合、三つの点を経過するグラフができているはずだ。

アタックとリリースは、さっきのまま。これでOKボタンを押すと、

Threshold −12.2 / Ratio 2.2:1


ソフトリミッターというものになる。

他にハードリミッターを−12dBに設定する場合もある。

Threshold −12 / Ratio Inf:1


という奴だ。

音声を圧縮してやる際に、圧縮後のフォーマットで扱えるダイナミックレンジまで事前に落としてやる場合に使うのがこれだ。

今のエンコーダーは処理が高性能なのであまり問題にならないが、音の大きさをそろえながらエンコードさせるより、事前に音の大きさをそろえておいてやる方が、エンコード速度もあがり、エンコード結果もだいぶ違ったものになる。

エンコードの中には、大音量の入力に耐えられないものもあり、音切れを起こすものもある。フラウンホーファーとて例外ではない。

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●上級者用 ダイナミック プロセッサーの使い方


ここまで読んでいて、
「アタックとリリースは何のために使うのか?」
という疑問が頭をよぎった読者もいるだろう。
それをこれから説明しよう。

※アタックタイム
アタックをあげてやると、プログラム的に何が起きるかというと、例えば、上記のハードリミッター(−12dB)の設定だとして、急峻な立ち上がりが起きた場合に、そのトリガー検知から圧縮動作に入るまでの時間が長くなる。
簡単にいうと反応が遅くなる。
これはドラムのアタックを強調したりする時に使う。ビート感を強調するのである。
つまり、ドラムの打音が入ってから少し後で音量を押さえ込むことで、ドラムの打音のみが強調できるのだ。

※リリースタイム
次にリリースタイムであるが、例えば、上記の設定をしてやり、うまくアタックが出たとしよう。次に、このリリースタイムを一拍分の時間間隔より少々小さめにしてやると、これは、4拍子であるなら4beatを強調することになる。
トリガーがかかった後に、どれだけの長さ効果を持続できるか、これを変更するのが、このパラメーターだ。つまり、トリガーがかかった後、このリリース時間で指定した間は、新しいトリガーを受け付けない。そこで、ここの時間を四分の1音符の長さにすると4beatが強調できるし、八分音符の長さにすれば8beatが強調できる。

このパラメーターを使いこなすのは、はっきり言って上級者でも面倒だ。慣れていくしかないだろう。

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●時間修正 TimeCorrection タイムストレッチ

このメニューは、他のエディターでは、通常、タイムストレッチ/Time Stretchとか、Time Compress/Expandとか呼ばれているものだ。時間調整というべきか。

トランスポーズでピッチ変化が時間変化に及ぼす影響について述べたが、ここではピッチを変化させずに時間のみに変化を及ぼすことができる。

例えば、先に映像ができている素材に既存のサウンドトラックをつけてやる場合がある。これがほんの少しの誤差であれば、これで演奏時間を短縮したり伸長したりできる。また、画像をキャプチャーしたり、家族のビデオをVCDにする場合に、映像フォーマットの選択を間違えたりするとデコード/エンコードの関係で音と映像の長さが違ってしまう。このような時にこの機能は重宝する。

パラメーターは時間軸変更要素 / Time Scale Modification Factorがある。

これは50%から200%まで変えられる。つまり、ファイルの時間軸を元の半分から二倍まで可変の幅がある。

またOptimization/最適化で、

 Music
 Speech
 Percussion
 Monophonic Instrument


ファイルの内容から上記種類のいずれかからアルゴリズムを選択する。
一般的にはMusic/Speechのどちらかを選んでやる。

二つはMusicの特殊形である。パーカッションでは、インパクトの瞬間からその直後を圧縮せず、サステーンの部分、残響の部分で処理をする。これでタイトな打音にバラつきがないようにする。Monophonic Instrumentでは伸長圧縮の際にLRに誤差が生じないように右チャンネル左チャンネルのシンクをとったうえに音を滑らかにしているようだ。

いずれにしても、Musicで狙いどおりの効果が出せない場合に、この二つを試してみることをおすすめする。

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(C)Babylonic.com Yasuo Sugahara 2001